そういう訳で、この間の休みに一日美和村の家で過ごさせてもらった。
はじめは何人かで掃除してご飯を作って食べる予定だったのが、
いろいろあって、結局丸一日一人でこの家で過ごした。
怖くて寂しいかなと思ったけれど、不思議とそうでもなかった。
途中で携帯の充電が切れてしまい、
誰かが迎えにきてくれるのを待つしかない状況になった時に少し焦ったけれど。
皆で来た時には気が付かなかったけれど、
やっぱり20年も人が暮らしていないと積もる埃も半端ではなく、
ちゃんと掃除用具を持ってくれば良かったと後悔した。
持っていったのが雑巾一枚。
頑張っても書斎くらいが限界と決めて、まずは拭き掃除に取りかかった。
今までで一番すごい埃、といっても言い過ぎではない、でしょう。
その日掃除したかったのは何より、その家にあった本が魅力的で、
あの書斎でとにかくゆっくりと本を拝借したかったからだと思う。
それで、気持ちよく座れるまでひたすら拭いた。
雑巾がけが一番大切、といつも言われている。
本当にそうだと今日も思った。
家も心も、磨く。光るまでみがけ!なかったけど。
置いてあったCDもすごく良かった。
まわりに家がないので、心地良く身体に響く音量で、
オーディオも、スピーカーも昔のものながらいい音を聞かせてくれた。
RICKY LEE JONES, ROLYN HILL, TOM WAITS, BOB DYLAN, CALM...
やっと書斎に座って本を読み始めた頃には日が傾いていて、
なんとなく電気を消してみた、蒼い静かな光の中。
YO-YO-MA のバッハ無伴奏チェロがあまりに心に響いて、
ただ音楽を聴いて涙が出るということを初めて経験した。
感情や思い出や、そういうことと音が重なって涙が出ることはこれまでにもあった。
でも、音を聞いて強弱の波に促されるように鼓動が高まったり、
呼吸が深く気持ちよくなったりするのは初めてだった。
YO-YO-MAってすごい。
彼の気持ちが、限りなく音に組み込まれていた。