やわらかいものだったんだ

静かに光る月の様なものだと想像していた、人のこころや魂というのは。

でも違っていたようで、それはしっかりとした固形のものではなく、
ぐにゃぐにゃに柔らかく、小さな何かが刺さったり、ぶつかったりしただけで
簡単に壊れてしまう代物だということを知ったのは最近のことだった。
でもだから、思っているよりも簡単に、
大きくなったり小さくなったりできるのかもしれない。
そんなに柔らかい皆のこころが、近いうちにまたひとまわり大きく光で膨らみますように。
春を知らせてくれた太陽の日差しの様に、幸福に。

歩き出したい、走り出したい、遠くまで行きたい。
窓の外の夕焼け空が海に見える気がして、
そんな外側な気持ちになったことで新しい季節を知った。

冬は終わるんだな、時間はちゃんと流れているんだ。
桜が咲けばこの町にきて一年だ。
最近は波の音のCDばかり聞いている。
今日も私はカフェにいる。