環境問題の原点

いま養老孟司さんの環境論を読んでいます。しっくりくる環境問題に対する解釈で、自分では言葉にできないことがベストな言葉で表現されていて、気持ちがいい思いをしながら読み進めています。環境問題を追求していくと、原理的には自分の心身の問題に戻るという点で自分の中のいろんな事が解決する気がします。自然が作り出したこの身体と、頭で考えて作った世界はかならず矛盾する。これまではこうして自分が頭の中で考えている事を、人間の発明品であるコンピューターに入力して、ワールドワイドにインターネットで公開しているという事実がいつも悩みのはじまりでした。それでもいろんな事を知りたいし表現したいし成長したい、そして楽しみたい。そもそもこの人間の脳の欲求とは何を求めていて、どうしてそんなに貪欲なのだろうか。私には身体の声に耳を傾けるという事もなかなか出来ないし、出来ても身体の言う事を聞いてあげられないことも多い。自分の身体と心でさえこうして手を取り合えない状態なのだから、この問題の大きさははかりしれない。人間の目的、誕生の意図がわからないのでどうしていいかわからない、お手上げ。結局こう行き着く近年である。それなら思う存分楽しめばいいとは私の場合はなれない。もう少し読み進めてなにか方法を見いだせれば嬉しい・・・とまたこうして全てわかろうとすること自体が、脳の欲求そのもののようで嫌になる。単純にしようと、答えがほしいと、いつもつい考えてしまう。地球はそんなに簡単なものじゃないはず。どんだけ研究しても地球という生き物が存在する奇跡は解明できるはずがない。何が虚で、何が実か。きっとこれはわからないままだろう。

養老教授の環境論「いちばん大事なこと」