想像以上の事態だった。驚いた。
DVDはドキュメントになっていて、様々な人の視点でのwoodstock。
その中でとても印象的な若者の言葉があった。
I'm a human being and that's all I want to be.
I just want to be myself and find out,
a place where I can maintain some kind of balance within myself, you know.
I am kind of like the Hamlet Trip, to be or not to be.
everybody is really looking for some kind of answer where there isn't one.
People do not know how to live and they do not know what to do,
and they think that if they could come here they find out what it is
or how to maintain with it.
I can just sit here right on this roadside
and I don't have to become President of the US,
because there is nothing to climb for, It's all sitting right here.
僕は一人の人間であればそれで十分だ。
Jesee
woodstock
愛と平和と音楽
1969. 8. 15
三十歳
美和村の家での一日
そういう訳で、この間の休みに一日美和村の家で過ごさせてもらった。
はじめは何人かで掃除してご飯を作って食べる予定だったのが、
いろいろあって、結局丸一日一人でこの家で過ごした。
怖くて寂しいかなと思ったけれど、不思議とそうでもなかった。
途中で携帯の充電が切れてしまい、
誰かが迎えにきてくれるのを待つしかない状況になった時に少し焦ったけれど。
皆で来た時には気が付かなかったけれど、
やっぱり20年も人が暮らしていないと積もる埃も半端ではなく、
ちゃんと掃除用具を持ってくれば良かったと後悔した。
持っていったのが雑巾一枚。
頑張っても書斎くらいが限界と決めて、まずは拭き掃除に取りかかった。
今までで一番すごい埃、といっても言い過ぎではない、でしょう。
その日掃除したかったのは何より、その家にあった本が魅力的で、
あの書斎でとにかくゆっくりと本を拝借したかったからだと思う。
それで、気持ちよく座れるまでひたすら拭いた。
雑巾がけが一番大切、といつも言われている。
本当にそうだと今日も思った。
家も心も、磨く。光るまでみがけ!なかったけど。
置いてあったCDもすごく良かった。
まわりに家がないので、心地良く身体に響く音量で、
オーディオも、スピーカーも昔のものながらいい音を聞かせてくれた。
RICKY LEE JONES, ROLYN HILL, TOM WAITS, BOB DYLAN, CALM...
やっと書斎に座って本を読み始めた頃には日が傾いていて、
なんとなく電気を消してみた、蒼い静かな光の中。
YO-YO-MA のバッハ無伴奏チェロがあまりに心に響いて、
ただ音楽を聴いて涙が出るということを初めて経験した。
感情や思い出や、そういうことと音が重なって涙が出ることはこれまでにもあった。
でも、音を聞いて強弱の波に促されるように鼓動が高まったり、
呼吸が深く気持ちよくなったりするのは初めてだった。
YO-YO-MAってすごい。
彼の気持ちが、限りなく音に組み込まれていた。
美和村の家
美和村という美しい名前の村が茨城の端にある。
栃木との県境、黒磯からは40分くらいのところに、
知り合いの持ち家があり、この間そこで鮎パーティーがあるとのことで
お邪魔させてもらった。
鮎はもちろん美味しかったし、皆との時間も良かった。
でもその家に私は感動した。
その知り合いのお父様が自分で設計して建てた家。
裏を小川が流れ、玄関入ってすぐ囲炉裏がある。
縁側に、書斎、居間、台所、風呂、ベッド、和室。
ミニマム、コンパクト。
それ以上、それ以下もないまさに理想の家だった。
窓から見える緑が印象的なのだが、
その緑も、全て自分で植えたのだと言う。
今が、そのお父様の未来予想図の姿なのだろう。
今はもう亡くなられていて、誰も住んでいない美和村の家。
彼がこの家を建てたということが、
素晴らしい出来事だと思わずにいられない。
絶妙なベッドの位置、椅子の置いてある向き、ひとつひとつを見付けるだびに
生活を愛しんで、時間を大事に思った方なのだろうと、
会ったこともないその人のことを、随分と思った。
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